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「子」役からの脱却

いつからか分からないけれど
不在がちな父に代わって
甘え下手で他力本願な母をケアするのが
わたしの役割だった。
わたしが、そうしていた。

たのしかったわけではない。
でもそれが居場所、
わたしのポジションだと思っていた。
勝手に、そう決めていた。

いまや父は現役引退し
マイペースに仕事をしている。
毎週のようにゴルフに出かけ
毎日のように飲み歩き
なにもなければ家にいる。

子供はとっくに巣立っている。
2人で話をしようとすれば
いくらでも時間がとれる状態だ。


父母との旅行を企画していたら
いつのまにかわたしは
「おなじみのポジション」に立っていた。
そして、疲れていた。

母の愚痴をきく役も
父の意図を解説する役も
そろそろ御免こうむりたい。

もちろん頼まれたわけではないし
望まれているわけでもないかもしれないが
近所に住んでいることもあり
つい、慣れ親しんだバランスをとってしまう。
そして、理想を押し付けたくなっている。

「きちんと理解しあえる夫婦でいてほしい」
そう願うのは、わたしの勝手だ。
あくまでも、わたしにとっての「良き夫婦像」だ。
そぐわないからといって、責める理由はない。
見ていられないなら、離れればいい。

なんだかんだ言いながらわたしは
両親から一目おかれる感じを
味わい続けたかったのだろう。


そして両親の間にある葛藤は
わたしの中にある葛藤だ。

ああだこうだと理由を見つけては
行かない方向へ話をもっていく人と
それらをすべて無視して本意だけ汲んで
行くことの合意が得られていると思っている人

なんでもいいよと放任・放棄したい自分
よりよいものを選びたい自分
一緒にいけるならそれで満足な自分
コミットメントを求める自分


父が母と仲良く旅したいならば
わたしがおなじみのポジションに居座るなど
お節介も甚だしい。

父は父のやり方で、
母は母のやり方で、
これまでの延長線上で、
うまい方法を見つけるかもしれない。


わたしが言うべきは
「疲れたので降ります」
それだけなんだろう。

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