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わかりやすいエピソード

高校のときの読書感想文のことを思い出した。

2年の夏休みの宿題は、井伏鱒二の「黒い雨」が課題図書で、
わたしはその、戦争をテーマにした内容にも、
文章のかたさにも、閉口して、読めなくて。

でもそこであきらめなかった。
なんでそうしたのか覚えてないけど、
家にあった父親の文学全集で、井伏鱒二をさがした。

そうしたら「山椒魚」がのっていた。
ちいさな岩穴で暮らしてた山椒魚が育って、出られなくなる
ユーモラスで、すこしシニカルな、短編。

文体も、空気感も、黒い雨と全然ちがう。
その違いを、作文テーマにした。
読書感想文は得意じゃないと思っていたけれど
(おもしろかった、すごかった、しか書くことない気がして)
評論っぽく書くのはラクだった。

これは、わたしとしては、反則っていう認識。
だって「黒い雨の感想文を書け」っていう宿題に
課題にはない短編と比較して「評論」書いてるんだもの。

でもこれが、先生の選ぶ優秀作品に入っちゃったんだ。
斬新な取り組み方だ!って感じで
選集として印刷されたものが、学年全部に配布された。
びっくりした。えー?だって反則ですよ?って、落ち着かなかった。


もうひとつ、これも2年の夏だろうか、
美術の宿題で、1枚なんでもいいから
油彩画を描かなきゃならなくて
でも描きたいものなんて思いつかなくて
(好きで美術を選択していたわけではなく
希望していた音楽専攻が抽選で外れたのだ)

それで、美術資料集でみつけた
枝になってるトマト2~3個の
ヘタのあたりのアップの写真を模写した。

トマトの茎~ヘタのあたりだから、色数もすくないし、
ごちゃごちゃしてないし、カンタンでいいやと思って。

いま考えると、その部分にフォーカスしてるセンスや、
画面構成、トマトの色のうつくしさも、ポイントだったんだろうけど。
表面上の理由は「カンタンだから」。

これがまた、先生がクラスから何人か選んで
コメントする対象に選ばれて

えー、だって反則ですよ?
写真を描きうつしただけですからって言ったら

「この写真を選ぶってところからして、いいんだよ」って言われた。

釈然としなかった。。。。受け取れなかったなあ。

この、宿題を「それでもやろう」とする真面目さとか
「反則だ」って自分を責めてるところとか
でも、それをきっちり、わりとたのしみながら、
やって、提出してるところとか
結果、面白がられるところとか

すっごくわたしの特徴が出てるエピソードだなあと思う。

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